勝負事の醍醐味(サッカー・トヨタカップ)
2003.12.15
 トヨタカップといえば、南米と欧州のチャンピオンのクラブチームが対戦し、世界一を決めるサッカー界の大イベントです。私も日本テレビのゲストとして、観戦してきました。報知新聞にも、観戦記が掲載されましたが、ホームページにも私の感想を載せたいと思います。

 生で観戦してみて何よりも迫力に圧倒されました。私もテレビでコメントするために、それなりに勉強して挑みましたが、サッカーの醍醐味というか、改めて一発勝負の怖さ、そして厳しさを痛感させられました。

 まず、下馬評で圧倒的に有利とされていたのは、欧州代表のACミランでした。メンバーを見ても、私でも名前を知っているスーパースターがスラリと揃っています。対する南米代表のボカ・ジュニアーズは、若手中心のチームです。対戦成績でも、ここ数年は欧州が圧倒しており、ACミランが勝つと予想するサッカーファンが多いのは、私にもうなずけました。

 ただし、そんな中で気になることがありました。一発勝負というのは、周りが思うほど、思うようにはいきません。私にも昨年は日本シリーズを経験しましたが、その時のことが頭をよぎりました。

 有利といわれるチームの方が、やりにくくなるのです。プレシャーはもちろんですが「勝って当たり前」といわれるような雰囲気の中で自分達のプレーをするのは、色々な意味で非常に難しいのです。逆に不利といわれるチームは、選手のモチベーションも上がり、自分達のプレーに徹しやすくなるものです。特にボカのビアンチ監督は「名将」と呼ばれるサッカー界の大監督だと聞いていました。大舞台で選手のメンタル面の操作法や戦術にも慣れているでしょう。どうやって、そして、どこまで食い下がっていくかを注目していました。

 試合開始直後は、ミランがシュート数で圧倒し、先制点も取りました。しかし、じっくり粘ってカウンター攻撃を狙うボカの方が、自分たちのサッカーに徹していたという印象がありました。「同点でもいい。PK戦でもいいから、とにかく粘り強く、接戦に持ち込んでやろう」というひとつにまとまったチームの意思を感じたのです。

 試合は先制されたボカがすぐに追いつき、PK戦で勝利しました。PK戦では、臆することなく、豪快にシュートを決めたボカに対し、ミランはベテラン選手がミスキックしました。ゴルフでいえば、ダフリショットのように土を蹴ってしまったのです。ベテラン選手が信じられないようなミスをするところに、追い詰められたミランを象徴していたように思います。

 必ずしも強いチームが勝つとは限りません。今年はメジャーのワールドシリーズでも、スーパースター軍団を揃えるヤンキースが、若手中心のマーリンズに敗れています。まさに一発勝負や短期決戦の怖さでしょう。勝負事の厳しさを再認識させられるとともに、サッカーというスポーツを堪能させてもらいました。

 追伸  日本テレビの初仕事になりましたが、報知新聞でも観戦記として初仕事をしています。興味のある方は、そちらでもお楽しみいただければ幸いです。
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